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2005'03.13.Sun

闇夜

homekabeie05s.jpg


「お待ち下さいっ」
 闇色の髪を振り乱し、娘が男に縋る。
 その長き袖にしがみつく。皺が出来るほど握りしめていた。
「お……待ち…下さい」
 墨を溶いたような瞳で、相手を見上げ、朱塗りの唇がうっすらと口開く。
 紡ぐは名前。声なき声で相手の名を呼んだ。呼ぶなと男が云ったので、それっきり呼ばずにいた名前である。
 殺生丸様―――と、恋慕の想いで男を呼ぶか。
 金色の瞳が細められる。
 女の黒い髪を見る。その昔、鈴を付けてやった相手を彼は見た。
 口がきけぬ娘であったので、名など知らなかった。もしかしたら、無かったのかも知れない。彼にはどうでもよかった。
 ただ名無しでは不便だったので、名を付けた。
 娘が動くたびに、鈴がよう鳴っている。ならば、あれはりんで良いと、そう適当に付けてやった名前よ。
 意味など、あるわけがなかった。
「行かないで……お願いです。あたしは……りんは」
 意味など、あるわけが無し。
「りんは……一度いい。一夜限りで良いから……りんを」
 目の前は左大臣家の姫となり、三日と経てば東宮妃となる娘がうつる。御名を鈴姫という。
 それなのに、何故、今更その名を使う?
 もう鈴は鳴らぬというのに。
 月の無き新月の夜、女は妖に縋りつく。抱きつき、希うのは一夜の情け。
 夜露のような涙が、頬伝い零れ落ちていた。


すいません、私このイラストで致命的なミスを……(苦笑)
兄上の顔の模様を描いてません。いつも線画では描かないので、うっかりしてました。もう、色つけたファイル無いので(保存してなかったらしい)手直しは諦めました。
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2005'02.08.Tue

鬼灯の館

 二条大路の左大臣家邸と云えば、都一美しいと噂される鈴姫の住まいであります。
 渡り廊下を行った先、女房達に囲まれて護られるように姫君の部屋があるのです。特に庭先の王母珠(ほおずき)の見事なこと。
 夕暮れ明かりを持つ女房の手元も、茜色の光が珠にも見えました。
 だからでしょうか。
 鈴姫の住む棟を、鬼灯御殿と呼ぶようになったのは。地に咲くほおずきと、女房の持つ明かりが鬼火に見えた事とを引っかけて、鬼の灯と称して鬼灯と名付けたのです。

「今宵は何ぞ面白い話はないか?」
「宿直と言えども、夜は長うていかん。誰ぞ面白い話を聞かせてくれたも」
「話と云えば、左大臣家の姫君の噂はご存じで居ようか?」
「おお、左大臣家の一の姫か、二の姫か、それとも……四の姫の話であろうか?」
「それよそれ。四の姫、鈴姫殿のことよ。大層美しいと評判でなぁ……、ここだけの話。葉木の中将殿が忍ぼうとして失敗したと聞く」
「葉木の中将殿と云えば、あの中将殿であるか? こりゃあ、愉快。あの伊達男も鬼灯の姫君の女房に追い払われた口か」
「とはいえ、それだけなら都にごまんとある話。この失敗談が少々違うのは、その中将殿があの鬼灯御殿で、まさしく本物の鬼火を見たとか云うのですよ」
「それは、失敗を誤魔化すための作り話ではなかろうか? あおの男のことだ、それぐらいはやりかねん」
「いえいえ、それだけなら私も疑いましょうものですが……どうやら、鬼火が出るらしいのは確かな話。三月前、左大臣家に賊が入ったという話は、ご存じでありましょう?」
「おお、むごたらしくも女房が幾人も殺されたと……」
「どうやらその賊……人であらずと云うのです」
「人であらぬと? では、鬼か妖か…魑魅魍魎の類か…」
「さあて、そこまでは。何しろ左大臣殿の愛娘でありますから……。そこまではっきりとは申し上げ難きこと」
「しかし、左大臣家の四の姫と云えば……これも噂であるが、山にて拾った女僮だとも聞く」
「おお、そうよ。そうよ。鷹狩りのさい拾われたとか。いえ、左大臣家の女房に我が家の縁の者がおりましてな。これは確かな話ですぞ」
「それは、それは……左大臣殿も変わったことを致しますなぁ……」
「あれででしょう。三の姫が亡くなったばかりであった頃でしたので、情にほだされてのことかと……」
「とはいえ、麗しき四の姫殿は今度、東宮妃に立たれるとも云われてますぞ。これは昨日左大臣殿が酒宴での席で、漏らしたこと。これこそ、確かな話」
「となれば、葉木の中将殿は命取りをしたのかもしれませぬなぁ……」
「いやはや、そうなれば今頃歯ぎしりして悔しがってござろう。にしても、そのおもて見てみたいものですな」
「まさしく、月に住まう仙女のごとく麗しい姫君であるのだろう」
「そう、鬼とて魅入られるやもしれぬ美しさだと―――あな、おそろしや……」


「名とは、この世でもっとも短く、もっとも近き咒だ。誰もが知り誰もが影響を受ける。この私とて……その束縛からは逃れられん。お前がりんから、鈴姫となったと同じだ」
「わ、私は……あの頃と変わってはおりません」
「いや、違う。私の知るりんは……こう御簾越しで会う相手ではなかった。お前は左大臣家の鈴姫だ。それ以上でも、それ以下もでもあるまい」
「せ―――」
「それ以上は、口にするな。あの月夜の再現をしたいのか? 我が名は人死にを呼ぶぞ」
「ならば、どうお呼び致しましょう。これでは、会話も出来ません」
「そうだな……ものの理の基盤が名ならば、その名を変えるのが一番良い。咒を成すのだ。音が同じでも込められた意味が違えば、自ずとそのものを縛る理も変ずる」
「ものの理……?」
「例えば……この琵琶をかき鳴らしたとする。弦は弦だが、幻とも生る」
「……桜! これは幻ですか?」
「そうだ、弦は幻と形り、現とも成せる。とはいえ、この桜を本物と致すわけにはいかぬ。つまり、これが基本だ」
「だとしたら……」
「我が名を転じてみせるか?」
「…………」
「…………」
「雪菖丸様では、駄目ですか」
「意は?」
「雪のように美しく、禍を退けるお方という意味です。白銀の御髪は雪と同じほど綺麗だと思いますし、菖蒲は昔から魔よけと云われております」
「ふ……この私に魔よけの名か?」
「わ、笑わないで下さいっ! 名を転じろとおっしゃったのは、そちらです」
「では、お前の好きなように呼ぶがいい。それで構わん」


平安版です。思いつくまま、適当に順番も入り乱れて書いてます。
というか、メモ書きに近い(苦笑)
どうやら殺生丸では物騒なので、りんりんに雪菖丸と付けられました。とはいえ、我ながらセンスに乏しい名前だな(苦笑)
そして、妖のくせに魔よけの名前を持ってどうするんでしょうね。
本当、どうするんだろう私(笑)

そして、掲示板のレスは明日というか、もう今日なんですけどお返事するので、少々お待ち下さい。ごめんなさいです。
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2005'02.07.Mon

平安小劇場

 時の左大臣と云えば、藤原の某。
 その左の大臣が、鷹狩りに参った時で御座います。
 ちりりと鳴る鈴付けた、幼き女僮と出会ったのは暑う夏の日。
 今より十年ほど前の話で御座いましょうか。
「かような場所に女僮とは……?」
「大殿、これなるは妖やもしれませぬ。近寄っては」
「よいよい、さて……そなたは何と申す?」
「…………」
「どうした、申せぬのか?」
「…………」
 答えぬ女僮の代わりに、返すはりんと鳴る鈴でした。
 風薫る山道で、その鈴は妙なる調べ。
「ふむ。可哀想に、怯えておるのだろう。さて、どうしたものか……」
 左大臣が一考すると、心なし憂い顔。致し方ありませぬ。
 三月も前でしょうか、大殿の三の姫が逝ったのは。一番下の末姫でしたから、大層殿は愛でておられました。
 それ以来、すっかりふさぎ込んでおられたのです。
「決めたぞ、そなたは今より鈴姫じゃ」
 慌てふためく家来に構うことなく、山で拾った女僮を左大臣は都へ連れ帰ります。己の娘として、亡き三の姫の代わりのように、育てるのでした。

 揺れる牛車の中、大殿の腕内で女僮はぽつりと呟きます。
「せ――――」
 けれども、それ以上は云えませぬ。
 言の葉というものには咒が宿る物。力宿りし言葉は言霊となり、時には死すら呼び込むと教えられたのです。
 まして、人で無き者の名など以ての外。
 最後の晩、女僮はそう教えられました。特に、彼の名は力強き言霊で、呼べば必ず災いを呼ぶだろう―――と。
 だから呼んではならぬのです。決して呼んではならぬはず。



「私の名を呼ぶなと、かつて云ったはずだ……」
「……あ……」
「何故、禁を破った? 我が名は死を呼ぶと」
「…………せ」
「愚かなる人の姫よ。貴様が呼びさえしなければ、かようなことにはならなかっただろう」
「………違っ……そんな」
 まこと、似合いの様。
 血に濡れた毒爪は爛々と輝き、月の明かりの下艶やかに咲き誇る華のよう。
 足下に倒れる女房や侍どもの屍を踏みしめ、男は囁きました
「殺生丸―――と何故呼んだ?」
 血の華薫る夜のことでありました。


ちょこっと平安な殺りん劇場です。
でも、行き当たりばったり(苦笑)
なので、思いついたことをそのまま書いてあります。っていうか、兄上の名は呼んじゃいけなかったらしいです(笑)
ふーん……そうだったんだ。
ちなみに鈴ネタもそんな調子で、即興な出来たてのネタだったり(苦笑)
いいんだ、こやってお話は出来るものなんです。きっと、多分。
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2005'02.06.Sun

大江山

「邪見様、どうして……?」
「いいから、お前はさっさと行け」
「何で……見つかったら、大変だよ」
「五月蠅いわい。ワシとて、それぐらい分かるわ。だがな、お前がここに捕まっているのは、困るんじゃ」
「でも、りんを攫ったのは……」
「そりゃあ、手違いじゃ。なんも知らん馬鹿がしたことに決まっておろう。いいから、とっととこの場から逃げれ」
「………邪見様……でもね、りんは……りんは」
「良いか、それ以上は云うてならんぞ。お前のためにならん」
「でも……」
「いいから、早く行ってしまえ! お前は都に帰れば、東宮とかいう奴の元に嫁ぐんじゃろ? 鈴姫とは、良い名を付けて貰ったな」
「あ……えっと……、左大臣様が付けてくれたの……」
「そうか、大切にされよって…お前……いや、りん」
「どうしたの、邪見さま?」
「何でもない、ほら、この道を下るんじゃぞ。川に沿って行けば、一日はかかるが里に下りられる」
「……じゃ、邪見様……」
「くれぐれも、その札を離すんで無いぞ。それは鬼除けの札じゃ、お前が道中とって喰われんように、渡したんじゃからな!」
「………うん、邪見様ありがとう」
「……りん、お前……」
「なぁに?」
「………いや…しっかり、幸せになるんじゃぞ」
「……………」
「……良いか、殺生丸様はお前のことを思ってだな、お前を里に下ろしたんじゃ。分かるだろうりん?、決して恨んだりは……」
「分かってるよ。殺生丸様はお優しいもの……」
「り…ん…」
「あ、そうだ。邪見様、これをお返しして。昔頂いた物だけど、壊れちゃって音が出ないの……昔は、よく鳴ってたのに……」
「これは……お前?!」
「殺生丸様の、お大事な物でしょう。りん、ずうっと持っていて……いつかお返ししようと思っていたの………。でも、もうりん殺生丸様に会えないから……会っちゃいけないから、邪見様がりんのかわりに返して下さい」
「………そうか、懐かしいのう。この鈴は……お前の頭に付いては、よう鳴っていたが……壊れてしまったか」
「邪見様……お願い、殺生丸様に……」
「わかった、このワシが必ずお渡しするわ。だから、お前は早う行ってしまえ」
「うん……邪見様も、元気でね……」


「―――あれは行ったか」
「……せ、殺生丸様。こちらにおいでとは」
「質問に答えろ」
「は、はい。りんは、命じられました通り逃がしてやりました。一日もすれば、人里にたどり着くでしょう」
「…………」
「あの、それより……りんめが、これを殺生丸様に返すと」
「…………」
「お懐かしい品です。殺生丸様の御母君様の縁の鈴……」
「これを、返すと」
「はい、その申し訳ありませぬが……壊れたとりんが申して」
「……ならばもう、二度とは鳴らぬな……」
「……殺生丸様?」
「構わぬ、いつかは壊れる物だ」
「…………」
「それより邪見、遂に朝廷が私を倒すと決めたらしい。ご高名な源頼光という輩を、こちらに寄越すとな」
「では……」
「四天王共々、やってくるそうだ。丁重にもてなしてやらねばならぬぞ」


というわけで、平安版な殺りん。
きっとこの後、酒呑童子よろしく川でりんりんが保護されるのかと。
でもって、討伐にお客さんが兄上の所に来るんではないでしょうか。
多分……。りんりんは鬼に攫われてしまって、そこを邪見様が助けてくれるんだよ。
こっそり、逃してくれるんですね。
そういう場面です。
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2005'02.02.Wed

こうして、妄想は出来上がる

 とりあえず、平安版のお話。
 平安版は、殺りんの王道的話の中でいうと別離ものの応用編に近いです。それとも後日談話かな。
 ようは、兄上がりんりんを人里に戻してお別れしたんだけど、やっぱり未練たらたらだったので復縁しましたという感じ(苦笑)
 こう書いてしまうと、まるで情けない男の人っぽいのですが、きっと本編では格好いいかなと思っております。というか、そうなってくれ!!
 人魚姫ではりんりんを追ってきた兄上なので、今度はその反対が良いかなぁと思ったのです。だから兄上には出来るだけ冷たくして欲しいと思いつつ、毎度その野望に挫折している私です(苦笑)
 ああ、明治版でも最後ではへたれてるし。どうしても、冷たくあしらえない兄上になってしまう、私のお話。そう言う意味では、似非な兄上で申し訳なくてすみません。
 で、今回のは布団の中で唐突に思ったのが、平安版なのです。
 時代劇なのか、何なのか、一度でよいのでお情けを……とかいう台詞(それかい)
 何ていうか、そういう台詞を兄上にいうりんりんが頭に浮かんで、じゃあそういう展開にするにはどうしよう。
 まず、この為には二人には別れてもらわないと駄目ですし、またこういう台詞があると言うことは、相手をふっきる為なのかなととか勝手に想像が働き、じゃありんりんはお嫁さんになるんだなと。
 とはいえ、普通の家に嫁に行くぐらいじゃ駄目。それなら、兄上に貰って頂く方が幸せじゃないかとすぐ突っ込まれそうだし、そうじゃなくむしろ嫁に行く方が幸せだというシチュエーションを考えると、どこからともなく入内、平安、東宮妃と設定がわいてきました。
 いつもこんな連想ゲームして作っているので、我ながらまただなと言う感じです(苦笑)
 あ、でも頭では、手を揃えて正座して畳の上で、今にも出ていこうとする兄上を、例の台詞っぽいものをいいながら引き留めるような感じのりんりんのイメージが映像としてありました。
 だから絵でもいいかなと思ったのですが、それだけじゃ詰まらない! どうせなら、もっと大風呂敷にしようよ。大江山みたいに、源頼光とか四天王とか出てくるような感じもいいかなと。
 でも名前だけしか知らない人だし(苦笑)
 時代も歴史の教科書で出てきたぐらいしか、記憶にないわたしなのですぐには書けませんが。
 ああ、でも、暇になったら書きたい話です。
 ラストは、こうおとぎ話みたいにして終わらせて。
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