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2006'07.04.Tue

現代版

 こんばんは、皆様。
 昨日はアイスクリームの日だったらしいのです。ということで、思いついたネタ。久しぶりに、現代版。勿論、表サイトの健全版ですよ。



 ミーンミンミン、叫んでいるのは蝉の声。
 梅雨は逃げさり、スキップしながら次が来る。暑いよヤッホイ、さあ夏休み。
 炎夏本番の今日この頃だ。
 モダンな作りのとある豪邸では、目を半眼にして少年が一人吠えていた。
「チキショー!!! こんな暑い部屋で、やってられるかっ!!」
「それだけ吠えられれば十分だ。さっさと、この頁の数式を解け」
 云わずと知れた、某所にお住まいの某一家。そこの次男のお部屋である。此処まで云えばお分かりだろう。分からないというのであれば、以下の名前を浮かべればよい。そう、犬夜叉である。
 ともすれば、傍らで無表情を気取る男と云えば、殺生丸に違いない。そもそも、こんな人間が二人といないはず。居たらいたらで、迷惑だろう。顔の作りも手足の長さも、浮世離れしたこの男は、暑さという物に対しても浮世離れしているらしい。
 目元涼しげ、肌も色白。その横顔は、アルプスの山々のように、暑さとは無縁に見えた。
 ―――と、無駄話はさておきだ。
 閉め切った部屋は、サウナに近いだろうか。蒸し風呂と云っても良いほどだ。多分、犬夜叉ならばそう思っているに間違いない。
 しかしながら、それは異な事、妙なこと。
 何しろ、各部屋には、クーラーが取り付けられているはずだった。だから、犬夜叉が暑がるのはおかしく、奇妙な話。まして、サウナのようだとは、あり得ない事だろう。
 だが、これには訳がある。
「貴様が一頁終えた度に、一度低くしてやると云っただろう」
 つまり、こういうことだ。
 犬夜叉は母親違いの兄とは違い、頭の中身も知能も、人並み、平均、平凡々。特別、偏差値の高い学校に行く予定もなければ、医者とか弁護士等小難しい職種に就こうとも思っていない。
 故に、兄と違って通っている学校も人並み、公立、ノンお受験。と云った具合の、学校だった。勿論、大学に行こうとは思っているが、これとて、自分の学力に見合った場所で良いと思っている。というか、通常の試験そっちのけで、推薦枠で受かる場所にしておこうとも、思っていた。安易と云うなかれ。これも、ちょっとした人生の知恵である。
 しかしながら、彼の進路とは無関係に渡されるのが、宿題という名の紙の山。もしくは感想文、もしくは問題集、もしくはレポート……エトセトラ。
「テメー……ふざけんなっ」
「働かざる者、喰うべからず」
 ぱらぱらと、手元にある生物のプリントを眺めては、弟へ兄が言い返す。そして、ちらりと相手を見ると、さらに一言。追撃を忘れなかった。
「お前の本業は学業だろう。ならば、それを行ってから、何とでも云え」
 途端に、犬夜叉は押し黙る。何故かと云えば、兄の云うことが正論だったため。悔しいが、確かにその通り。何しろ、事の原因は弟にある。
 一昔前の小学生ではないが、ため込んでいたのだ。
「お前がため込んだこの宿題を見てやっているんだ、少しは黙れ」
 だが、犬夜叉が溜めていたのには、理由があった。そもそも、彼は兄に勉強を見て貰おうとなど、これっぽっちも考えていない。空気中の塵よりも、考えていなかったはずだ。一度、冬休みに同様なことがあったが、あの時の悲惨さを思い起こせば、二度目など口にしたくもない。
 正月そうそう、ほぼ連日連夜徹夜でスパルタ教育だ。奴は教職には絶対に向いてない!と、心底犬夜叉が思ったほど。それほどに、過酷な日々であったのだ。
 それが、再び再来したのは……と、犬夜叉が茹だる暑さに苛まれつつ考えた事と云えば、アレしかないだろう。
 そう―――アレ。
「黙ってられるかっ!!! この部屋、三十度を超えてるんだぜっ。てめーは俺を殺す気かっ!!」
 ロリコン野郎と云わなかったのは、まだ彼に数粒の理性が残っていたからだ。というよりも、それが現実となることを、ちょっぴり真面目に恐れていると云った方が正しいか。
 何しろ、アレを義姉と呼ぶ日がやってくるなど、考えがたい。まともな神経と、常識を云う保守的な考えを持っている弟は、切実に思うのだ。
 いくらなんでも、無茶苦茶だ―――と。
 犬夜叉が夏休みに入って数日後、兄が子連れでやってきたのは、昨日のことだろう。
 養いっ子という小学生。りんがお泊まりに来たのだった。

(続く)

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2005'11.30.Wed

現代版

 以前、りんりんと兄上のなれそめが云々についての質問をお受けしたので、その答えとは若干ずれてますが、その当時あたりの時間軸のお話……というか一場面です。
 表の現代版です。


「子供を拾った」
 それは、とある事務所のとある応接室での出来事。
 そのとある弁護士事務所の、奥まった応接室のソファに腰掛けた青年が云ったのです。
「養育するための、法的手続きをどうにかしろ」
 それだけいうと、あとは無言。
 むっつりとした表情で、優雅に珈琲なんぞ飲んでいます。
 色素の薄い容姿は、日本人離れしたもの。長身で、しかも胴ではなく足が長く、今時の若者といった出で立ちでした。
 とはいえ、どこからもなく漂う品の良さは、この青年の生活ぶりを伺わせます。
 めざしに具のないみそ汁。しかも麦を混ぜたご飯なんて、絶対に食べたことがないに違いありません。
 何となく、応接室の持ち主は不愉快でした。
「一口に法的手続きといっても、血縁関係でもない場合は……」
「出来ないと、いうのか?」
 相手の言葉尻をとって、青年は訪ねました。どことなく、不機嫌な雰囲気ばっちりです。
 ああ、嫌な感じ。
 誰が見ても、彼が見ても、嫌な感じです。
 嫌な感じったら、ありません。100%賭けたっていいぐらい、嫌な感じなんです。
 刹那法律事務所の猛丸は、はあと心内で溜息一つ。
 何だって、こんな面倒ごとになったのでしょう。
 しかも、こんな不貞不貞しいガキ相手に、面倒くさい相談事を持ち込まれるとは……今日は厄日に違いありません。もしかすると、仏滅でしょうか?
 大安吉日ではないことだけは、確かなのです。
 そういえば、家を出るときに見た今日の運勢。某朝番組のランキング形式の星占いでは、蠍座は最悪の12位。見なきゃ良かったと思った一瞬でした。
 きっと、そのせいでしょうか。
 一番逢いたくない人間に、非常によく似た、これまた嫌な相手に会う羽目になったのですから。
「有能だと聞いた。が、違ったようだな」
 それだけいうと、この目の前の青年はまた珈琲を飲み始めます。
 なんていう台詞。
 ぴきっと、猛丸君のこめかみが引きつりました。仕方がありません。
 こういうくそ生意気なガキは、世間をちっとも分かっていないんです。法律という物を知らない、無知な生き物なんです。
 猛丸は怒りたい気持ちを抑え、いえ、怒りはもうすっかり全身にまわってしまいました。ですので、殴りたい衝動を、押さえ込んだのです。
 六法全書の角で頭を打って死んでしまえなどと、弁護士にあるまじき悪意の芽生えに耐えておりました。忍耐に次ぐ忍耐。それが出来てこそ、大人の証。余裕の男。
 深呼吸の繰り返し。出来る男は、いつだって冷静沈着。頻繁に表情筋を使ってはいけません。笑顔の安売りは損なのです。
 成る程、大人とは大変な生き物。
 猛丸君は、そうやって自分に呪文を唱えると、いかにも仕事が出来そうな大人の男を演出しました。
 相手は子供。自分より年下、ここで怒ってはいけません。
 大体、自分をなんだと思っているのでしょう。このガキは。
 弁護士は魔法使いで無ければ、便利屋でもありません。何でもかんでも都合良くいくと思ったら大間違い。ドラマ世界のように、ご都合主義で法律の落とし穴や、裏技があるわけ無いだろう、馬鹿野郎です。
 親が親なら、子供も子供。
 憎たらしいったらありません。
 見知らぬ子供を連れてきたかと云えば、養育したいとぬかしてきました。ガキがガキを育てるなんて話、聞いたことがありません。
 ちょっとばかり自分の自由に使える金があるから、こんなろくでなしが出来上がるんです。
 全くもって、こういうのがいるから、社会が悪くなるんです。まさしくこの相手こそ、社会の悪の総代表でしょう。
 大学生のくせにパソコンなんぞで株をやって、あくせく人が働いている時に、かちかちマウスでクリックしているに違いありません。
 そうして、額に汗せずにまとまった金を得ているんです。こういう奴がのさばっているから、今の世の中が荒れるのです。荒廃する一方なんです。
 猛丸は、そういう思想の持ち主でした。
 経済の基盤は生産だって云うことを、学校で習わなかったのでしょうか。
 ああ、嫌だ、嫌だ。これだから、金持ちは嫌いなんだと、元貧民層の彼は考えるのでした。
 と、そんなことを思いながら時計を見ます。
 昼過ぎ、ほどよい太陽の光が心地よい、こんな昼寝に一番な時間帯に大学生がくるなんて。学生の本業でもしてろと云わんばかりに、内心文句を右から左に並べ立ててました。
 そうやって、無駄に数分過ぎ去った頃。いかにも軽い足取りが聞こえてきました。
 見るまでもありません。
 別室にて待機させていた存在が、やって来た合図。殺生丸は声をかけて確かめるべくもありません。
 可愛らしい声がしました。
「……あ……あの………」
 少しだけ、おどおどした少女がいました。
 ドアを勝手に開けて、こちらの応接室に勝手にやって来てしまったのでしょう。
 見咎めるように、猛丸君の視線が少女に当たりました。
 彼女にも気が付くのでしょうか。見れば、ぴくりと肩が動くではないですか。微かに震えているのは、怯えているのか、緊張か。
 幼い子供が周囲にいない猛丸君は、さっぱり分からないことでした。
 ことでしたが、目の前のクソ生意気なガキには良く分かるよう。
 一瞬、彼は我が目を疑います。
 白昼夢を見たのかと思いました。
「心細かったのか?」
 そういったのは、殺生丸。ソファに腰掛けながら、肘掛けに縋るような少女の方へ顔を向けていました。
「必要なら、私の隣に座ればいい」
 促すように、青年の手が隣を示します。
 戸惑ったような少女は、言葉もなく相手を見かえすだけでした。
「しゃべれない訳じゃないだろう…な」
 確かめるように、猛丸の問いの声は微妙に音程が変です。
 それどころか、なんて間が抜けた質問。しゃべれるも何も、さっき一言二言、少女は話したではありませんか。
 これでは、馬鹿の演出です。
 というのも、無理ありません。
 他人なんかどうでもいいの代表格に見える相手が、この小さな女の子には人並みの態度を表しているからです。
「人見知りするだけだ」
 ぶっつりと言った台詞は、どことなくとげとげしいです。暗に、貴様の存在自体が悪いと言葉無き非難を浴びせているようでした。
「りん、気にするな。あの男は始終ああいった顔をしている男だ」
 それだけいうと、少女の手を取り、青年は自分の隣に座らせてしまうのです。
 なんなんでしょう。
 なんなのか、この空気。
 猛丸君は、妙な居心地の悪さを背筋に感じます。
 嫌な感じがいっぱいです。
 この世には色々な嗜好がたくさんありますが、時には社会的に相容れないものも存在するのです。
 嫌な感じです。
 やめてくれと、猛丸君は考えました。
 弁護士の身内に、犯罪者は欲しくありません。彼はきっぱり、そう思いました。
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2005'02.05.Sat

現代版パロ。

えっと、多分現代版ではこんな感じで、披露宴したりしてます。
ちょっと会話だけなので、分り難いですけど。
そんなこんなで、初夜はきっと延び延びになっているんですね。
なので、花婿さんは逃亡を試みるのです(笑)


「殺生丸様……もしかして、機嫌悪いの?」
「お前には、どう見える?」
「うーんと、怒り心頭250%って感じ」
「だったら、そういうことだ」
「結婚式、披露宴って、立て続けにしたから疲れたの?」
「ああ、そうだな……こんな馬鹿馬鹿しい事に時間を割いたのは、生まれて初めてだ」
「でも、りんはこのお船好きですよ。豪華客船貸し切りだなんて、すごいって犬夜叉さんも云ってました」
「あれがいったのは、多分そう言う意味でのすごいではないな」
「違うんですか?」
「前々から薄々は感じていたが、ここまで派手にするとは……私にも予想外のことだっただけだ」
「ですよね、だってこの豪華客船。日本一の大きさだって聞きました。それを貸し切りして、優雅に船の旅をしつつ結婚式に披露宴なんて、そうそう出来た事じゃありませんよね」
「ああ、まともな人間ならまず出来ないな」
「殺生丸様、その言い方だとお義父様が、まるでまともな人じゃないみたいですよ」
「……………」
「明日の夜には、タンスパーティーがあるそうですよ。楽しみですね」
「………本当に、楽しみなのか?」
「はい、だってこの日の為に、りんはとびきり綺麗なドレスを用意しました。殺生丸様と一緒に踊るんです」
「そしてそのまま、宵っ張りか」
「ダンスは嫌いなんですか?」
「りん、この船の旅は何日続く?」
「えっと……今日で二日目だから、残り五日あります」
「こんな茶番につき合ってられるか………、大体、今時こんな馬鹿げた規模の結婚式をする必要があるとは思えん」
「でも、折角お義父様がご用意して下さった式ですよ。それに、ここは海の上だから、何処にも行けませんよ。殺生丸様」
「方法なら、ある」
「え?」
「こうなるだろうとは、何となく予感がしたからな。邪見に自家用のヘリを用意させた。もうそろそろ、この船のヘリポートに付く頃だ」
「せ、殺生丸様?」
「りん、パスポートは持っているな?」
「あ、はい。持ってきました。でも、五日過ぎれば新婚旅行になるんじゃないんですか、このお船で」
「何処の世界に、自分の父親も乗っている客船で新婚旅行をする男がいる」
「うーんとりんが思うに、普通はそういうシチュエーション自体無いと思えるんですけど……」
「細かいことはいい……こんな船、とっと逃げ出してやる」
「じゃあ、殺生丸様これから脱出大作戦ですね! なんか、ジェームス・ボンドみたいです」
「ヘリでこの船を離れたら、チャーター機で一気に高飛びする」
「うわ、国外逃亡するみたいですね」
「……りん、みたいじゃなくて、するんだ。お前の好きな所に連れていってやろう」
「え、じゃあ……りん、ダルタニャンのお城のモデルになった、バイエルンのお城が見たいです」
「ならば、ドイツだな。それから暫く、ヨーロッパでも適当に回ってみるか」
「でも、移動は何を使うんです?」
「空だったらチャーター機をまた使えばいい。それか、列車でもいいな」
「わあ、本物の世界の車窓からです!」
「とりあえずは、向こうに着いたらホテルでゆっくり過ごしたい」
「殺生丸様はここだと、ゆっくりは過ごせないんですか? 客室では、一番良いお部屋なのに……」
「………そうだな、お前は楽しいだろうな。毎日夜更かしして、遊んでいるならば……」
「はい、りんはとっても楽しかったです。でも、一番楽しいのは殺生丸様と一緒にいることですよ」
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2005'02.02.Wed

現代版殺りん

ブログのデザインを変えました。
ですが、そうするとスクロールバーが出てしまうのです。
何故なんだ!というわけなのですが、理由が分かるような分からないようななので、とりあえずそのままです。
直せるようでしたら、直したいのですが。
私には無理そうです(苦笑)
とりあえず、このまま放っておきますね。
と思いましたが、やはり気になって仕方がないので、元に戻しました(苦笑)

でもって、今夜は殺りんというか、現代版みたいな感じ。
アンソロジーの原稿を提出せねばならないので、そっちを本命にしていますので、今日も例によって例のごとく、会話のみ。
ごめんなさい、行間にある彼らの行動は、想像してお読み下さい。
すみません。お手数おかけします。
あ、前のと続いてます。



「まあまあ、余所様の家で騒ぐのは良くありません。珊瑚、ここは一つ落ち着いて」
「そ……そうだね」
「では、そういうことでお邪魔致します」
「お邪魔します」
「つきましては、小腹が空いたので茶菓子と喉を潤す飲み物でも出して頂ければ結構ですから。どうぞ、お構いなく」
「そうだね……紅茶なんかいいかも、かごめちゃん」
「あ、そうそう。ケーキとミルクティーお願いね」
「っていうか、おめーら、なかなか図々しいな」
「これだから、貴様の知り合いは愚連隊だというんだ」
「でもよ。知り合いって括りで云うなら、十分テメーだって知り合いじゃねえのか」
「そうですとも、私と貴方の仲ではありませんか。そんな他人行儀な、冷たいことをおっしゃらずに……」
「五月蠅い、貴様とは最初から他人だろう」
「殺生丸様……、その人と仲良いの?」
「ええ、そうなんです。生まれる前からつき合いがありまして、それはもうなんといえばいいのか、深い繋がりが……」
「貴様の寺の檀家なだけだ。ややこしい言い方をするな、りんが誤解する」
「ちょっと聞いた、珊瑚ちゃん」
「うんうん、聞いたよ」
「誤解するってですってよ、殺生丸さん。っていうことは、もしかしてもしかすると……」
「えっ、でも……かごめちゃん。あたし思うんだけど、年が離れすぎてるだろう?」
「いや、そうでもないぜ。うちのお袋と親父はノリノリだからな」
「え、マジなの! 犬夜叉」
「俺は考えたくねーんだけど……」
「それは本当ですか!! 兄上!! 私という者がありながら……あんまりではありませんか」
「いい加減にしろ、その茶番を止めないというならば……今度こそ試し切りでもしてやろうか?」
「嫌ですねぇ……、そんな刃を向けなくたって。ほら、可愛らしいお嬢さんが見ている前で、手荒なことはお止めなさい」
「殺生丸様、もしかして落し前をつけるの? 指詰めたりするの?」
「…………りん、どうしてそこで目を輝かせる?」
「だって、なんかドキドキするの」
「それはお嬢さん、恋というものです。さあ、私と一緒にめくるめく愛の世……」
「法師さまっ!!」
「…………」
「馬鹿か、あいつ……」
「まあ、自業自得って所かしら。弥勒さまってば……」
「りん、いいか。そのドキドキはお前が緊張して、怖がっているせいだ。膝を見ろ。震えているだろう」
「いえいえ、それも恋のうち。吊り橋理論というもの……がふっ!!」
「殺生丸様、二回も斬って法師さま、大丈夫かな?」
「安心しろ、峰打ちだ」
「そうなんだ、じゃあ大丈夫だね!」
「でも、さっきから弥勒さま……ぴくりとも動かないんだけど」
「峰打ちっていってもよ。確か真剣でやれば、骨ぐらい折れるっていうし……打ち所が悪ければ死ぬんじゃねぇのか」
「えっ、法師さま!! きゃー、白目向いてるよ、かごめ……きゃ!」
「弥勒さま、相変わらず……」
「法師さまっ!!」
「そう怒るものではありません、珊瑚。お前の、その触り心地の良さのお陰で、三途の川を渡らずにすんだんですから。まさしくお前は命の恩人です」
「貴様の生命力は、ゴキブリ並だな」
「貴方にそこまで褒められるとは、照れますなあ……」
「いや、褒めてねーし」
「それにしても、りんちゃんってばそうなんだ。じゃあ、今度からお義姉様って呼ばなくっちゃ」
「え、りん……かごめさんのお姉さんになるの? りん、でも小学生だよ」
「というわけで、お義兄様と呼んでもいいかしら、殺生丸?」
「犬夜叉、貴様そういうことなのか?」
「え、いや…つーか、どうして俺にふるんだよっ!
 そのだな……ええっと、かごめは何て言うか幼なじみつーか、友達つーか、仲がいいつーか……つまり…同級生だというか、クラスメートっていうか…近所つーか……神社とこの奴で……」
「という訳らしいぞ」
「ちょっと、犬夜叉!! なんで、そうなのよ! しかもどんどん他人になっているじゃないっ!」
「かごめちゃん、ちょっと可哀想だね」
「まあ、難しい年頃ですから。それでも、同い年ですからねえ……世間の目は優しいでしょう。これが、兄上になると犯罪者ってあたりでしょうか」
「あ、でも。あしながおじさんっていうのも、ありなんじゃないかな」
「あしながおじさんですかぁ……」
「そうだよ、あれは名作じゃないか。かごめちゃんだって、そう思うだろう?」
「殺生丸があしながおじさん……まあ、そういうえば、そうなのかしら」
「何だよ、そのあしなが何たらって……。殺生丸の野郎の足が長いとかいうのか?」
「違うわよ、犬夜叉。そりゃあ、殺生丸の足は長いかも知れないけど……」
「俺だって、そのうち伸びればあいつより長くなる」
「いや、別にそこで張り合って欲しい訳じゃないんだけど……犬夜叉」
「でも、あしながおじさんって十四ぐらい上だろう。だったら、あの二人のほうがそれほど離れてない分、まともだよ。って、あの子は何年生なんだろう?」
「四年らしいぜ。殺生丸と同じ学年だったはずだからな」
「ほうほう、するとあのお嬢さんは小学四年生ですか? 遅生まれでしたら、十歳。丁度光源氏が、紫の上を拐かした年と同じですねぇ。ああ、でも残念ながら、兄上は十八ではいらっしゃらない。源氏と同じにはなりませんか」
「それと同じなのは……ちょっと問題があるんじゃないかな、弥勒さま」
「光源氏は、古典文学の金字塔だけど……色々云う人がいるからね」
「なんでい、その源氏って野郎は? あれか、今大河ドラマでやってる義経とかいう」
「ちがーう!! 源氏違いでしょう、犬夜叉」
「そう、源氏と言えば静御前なんていう美人がおりました。白拍子など、これはこれでそそります。当時の白拍子と言えばあれですあからねぇ。今でいう所の……」
「法師さま、話がそれすぎだよ! もう、良い子も読める話をしてくれないと、駄目じゃないか」
「それているといえば、この話も殺りんからは、どんどんそれてますねぇ……」
「って、誰と話してんだ、てめーは」
「おや、ご存じないのですか犬夜叉。あちら側には、美しいお嬢さん方が大勢いらっしゃって、我々の会話を読んで下さっているんですよ」
「奇特な人も、いたもんだよね。かごめちゃん」
「そうね、……これって、もう殺りんじゃないし」
「ねえ、殺生丸様。あしながおじさんって、何?」
「1912年に書かれた、アメリカの文学作品だ。お前の部屋にある、少年少女世界文学全集のアメリカ編第五巻に載っている。全編手紙形式の手法で書かれた物で、作者はジーン・ウェブスターという、女流作家だ」
「ふーん、それって何か本の解説みたいだね。殺生丸様」
「………詳しく知りたかったら、今度読むといい」
「うん、りん読んでみるね。殺生丸様、そのお話面白い?」
「…………」
「面白いわよ、りんちゃん。とーっても、面白いの!」
「お前には、聞いていない」
「あら、そう? でも、お義兄様は読んだことがあるのかしら?」
「かごめさん、どんなお話なの?」
「とっても、素敵な恋愛小説なの。清らかで純粋な、愛の形が綴られているお話なのよ」
「何処の受け売りだ」
「どこの受け売りでも良いでしょう、読んだことがない人にとやかく言われたくないわ」
「…………」
「ふん、やっぱり図星ね。殺生丸!」
「そうですよ。可愛らしいお嬢さん、このお話を読めば恋愛には年なんて関係ないと、悟るでしょう。ですから、読んだ暁には是非、この私の……がふっ!!」
「りん、そろそろマンションに帰るぞ。こんな所にいられるか」
「………殺生丸様、あの法師さま大丈夫かな?」
「安心しろ、峰打ちだ」
「でも……なんか頭が赤いよ」
「あれはケチャップだ」

「いや、それはぜってー違うだろう……」
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2005'01.29.Sat

現代版パロ

こんばんは、管理人です。
何となくクマの人形が作りたくなったので、手芸屋さんで布を買ってみました。型紙通り裁断したので、明日はミシンで縫っていこうかと思っています。
そんなことは、どうでもいいですね。
今日は前のままごとの続きみたいな感じ。
犬夜叉との会話が楽しかったので、今夜はもうちょっと人数を増やしてみました。
と、思ったら七宝が出てないことに今気が付きました(苦笑)
ごめんよ、……雲母もいないけど。

お正月明けました話みたいな感じです。
例のよって例のごとく、会話文のみなので、その間は各自でご想像して下さると、良いかと思います。
すみません。


「犬夜叉~、明けましておめでとう」
「………何で、お前らがきてんだ?」
「おやおやお忘れですか? 正月明けにはこちらにお邪魔すると、云っていたんですがね」
「そうだよ、お正月は昨日だろう?」
「………三が日明けてからじゃないのか?」
「はははは、馬鹿なことを。それはフェイントですよ。お正月明けとお前に云っておけば、三が日かと思うでしょうから」
「あははは……そういうわけで、来ちゃった」
「へぇ……まっ、俺はどうでもいいけどよ」
「!!」
「これはこれは、兄上。相変わらずお美しい、この肌触りが何とも云えませんな」
「寄るな、触るな、近づくな」
「また、やってるよ……弥勒さまって、ああいう所が勇者よねぇ……」
「ああいうのは、見境がないっていうんだよ」
「法師さまっ!」
「あ、でもよ。あいつ、うちのお袋には何もしねーだろ? 常々不思議におもってんだけどよ、俺は」
「ふふふ、犬夜叉。私のモットーをご存じないんですか? それは楽しく気楽にセーフティーに目指せ戦国桃色草子です。十六夜様は確かにお美しいですが、そこまで命知らずなことはしないんですよ」
「ようは、犬夜叉のおじさんが怖いだけなんだろう、法師さま」
「おや、こんな所に愛くるしいお嬢さんが!」
「りん、出てくるなと私は云ったはず……」
「うそ、犬夜叉ってば妹いたの?」
「本当だ、可愛いじゃないか」
「お嬢さん、あと六年ぐらいしたら、私の子を……」
「貴様は触るな」
「殺生丸様……この人たち誰?」
「近隣に住む愚連隊だ」
「ちょ、ちょっと待ってよ、それってどういう意味よ!」
「っていうか、愚連隊なんて言葉の意味近頃の人は分からないと思うよ」
「まあまあ……それにしても、可愛らしいお嬢さんですね。こんな妹が犬夜叉にいたとは……」
「いや、それは俺も初耳……」
「じゃあ……この子はなんなの、犬夜叉?」
「りんは、殺生丸様と一緒に住んでるんだよ」
「「「!!」」」
「……そうなんだ」
「こういう日がやってくると、私も正直思ってたのよ」
「まさか、道を踏み外すとは……。ですが、まだ初犯でしょう? 自首すれば、罪だって軽いはずです。まあ、世間の白い目からは逃れられませんが……」
「あ、でもさ。今度法律が変わったらやばいんじゃないかな」
「うんそう、珊瑚ちゃんも思うよね。私も思うわけよ」
「ですが、ここが日本で良かったんじゃないでしょうか。外つ国では、二十四時間見張られたりしますからねぇ。腕輪とかで現在地がばれてしまうとか」
「貴様ら、何の話をしている」
「え、そりゃあ……ねぇ」
「警察に通報した方がいいのかな、法師さま?」
「丁度良い、ここに手入れをしたばかりの日本刀がある」
「げ、馬鹿野郎。そんなもの振り回すとかいうんじゃねぇだろうな、殺生丸」
「毎年蒔き藁で試し斬りをしているが、今年は別な物でもいいかもしれん」
「ちょ、ちょっと……犬夜叉、何とかしなさいっ! ほら、弟でしょう」
「かごめ、てめー無茶云うなよ。丸腰の俺に何が出来るっていうんだ」
「でもさ、弟だし」
「ここは、弟に生まれたことを運が悪かったと諦めて、潔く散って下さい」
「ほら、犬夜叉。この箒で、頑張って! 私たち、背後で応援してるからね」
「竹箒で何とかなる相手じゃねーだろ。っていうか、殺生丸! テメーは冗談も通じねぇのかっ!」
「黙れ。私はこういうくだらない言動が、一番嫌いだ」
「いやですねぇ……ちょっとした、お茶目さんじゃありませんか。兄上」
「そ、そうよ。犯罪者だなんて……冗談に決まってるじゃない」
「別に、いつかしそうだなんて……思っていた訳じゃないよ。ねえ、かごめちゃん」
「そ、そうよ!ね、弥勒さま」
「いや、あり得るかもとかは薄々…いえ、たまーに思うぐらいですよ」
「おめーら、フォローになってねえ」
「駄目、殺生丸様を悪く云わないで!!」
「……殺生丸様はりんの命の恩人なの。だから、いじめたら駄目なのっ!!」
「………………私は、いじめられているように見えるのか?」
「だって、あの人達不良グループなんでしょう? 殺生丸様に因縁つけにきたんじゃないの? それとも、カツアゲ? ドラマでは、よくそういうことしてるよ」
「ほほう、賢い子ですねぇ……。愚連隊の意味を存じているようですよ」
「本当だ。すごいじゃないか!」
「え、そうなのか。マジでそう言う意味だったのか!」
「そういう意味なのよ、犬夜叉。というより、なかなか侮れない小学生だわ」
「りん、お前はそういうドラマを普段から見ているのか?」
「んと……邪見様が見てるから、りんも見ちゃうの。邪見様ねぇ、任侠物とかも好きみたい」
「ねぇ、意外な趣味じゃない? ちょっと、犬夜叉、あんた知ってた?」
「なんで、俺にふるんだよ」
「だって、弟じゃないか」
「いや、殺生丸の野郎の弟っていうのは分かるけどよ、俺は別に邪見の奴の弟ってわけでもねぇし」
「馬鹿ですか、お前は。誰もそんなことは聞いていません。とはいえ、あんな幼いうちから任侠物とは……渋い趣味ですねぇ。いや、でも、和服姿の姐さんというのも。白いうなじに後れ毛なんて、なかなかですし……それはそれで将来がたのし…」
「法師さま! それこそ誰もそんな話はしてないじゃないかっ!!」

とか、思いついた分だけ打ってみたりしました。
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